Kubernetesの認定資格「CKA」を取得しました 〜これから受ける方へのアドバイス〜
この度、Kubernetesの認定資格「CKA(Certified Kubernetes Administrator)」を取得いたしました! 今後受ける方のお役に立てばと、受験レポートを残しておきます。
要約 〜忙しい人はここだけ読んでね〜
- 試験に関する説明の書かれている英語のドキュメント「Handbook」「Important Tips」を熟読しよう!
- 「Kubernetes完全ガイド」の4章から8章は可能な限り、9章から12章は余力と相談して押さえておこう!
- 「Kubernetes The Hard Way」を1度実施し、各オペレーションの意味を理解しておこう!
受験動機
私の場合は、今まで培ってきたKubernetesの技術知識を試すことが目的でした。また副次的な目的で、社内でコンテナ技術推進活動をしているため、その発言に説得力をもたせる意味もありました。
「Kubernetesの技術を身につけるきっかけにする」というパターンの方もいるかと思います。
自分がやったこと
自分が受験をするぞ!と決めてやったことは以下の4つです。私の場合は既にKubernetesを結構触ってしまっていたので役に立つかわからないですが、かけた時間を括弧付けで示しておきます。
- パスポート取得(1週間)
- 貸し会議室押さえ(30分)
- 試験のHandbookとImportant Tipsに目を通す(6時間くらい)
- Kubernetesの機能復習(8時間くらい)
パスポート取得
CKAを受験するには氏名がローマ字記載の写真付き身分証明書が必要になります。おそらくパスポート一択な気がします。
私は国際旅行等で海外に出たことが一回もなく、人生で初めてパスポートを取得しました。まさか資格試験のためにパスポートを取得することになろうとは…
パスポートの発行は私の居住する地域だと1週間程度かかりました。もし受験する熱意があるけどお持ちでない方は、受験予定日を決めたら早めに取得することをおすすめします。
ちなみに発行料は5年パスポートで1万円程度でした。
貸し会議室押さえ
CKAの受験は準備も含めて3時間半程度、誰もいない、誰も入ってこない、静かで、机・椅子以外ほぼ何もないスペースが必要になります。
私の場合は会社の会議室で試験を実施するのが難しい事情があったため、貸し会議室を予約し、受験することにしました。
試験日のスケジューリングをしてから空いている会議室を探すのが良いと思います。2000円くらいあれば借りられると思います。
試験のHandbookとImportant Tipsに目を通す
CKAは国際試験なので現状、試験に関する情報は英語になります。ですので、試験のレギュレーションを理解する時間をしっかり取りました。
Kubernetesの機能復習
先人の方々が残してくれた受験記はチラ見していましたが、なかなか実際の問題のイメージが膨らまなかったので、今まで触ってきた機能の復習は少々行いました。
具体的にはCyberAgentの青山さんが書いた本「Kubernetes完全ガイド」の4章〜12章くらいを見直したことと、Kubernetesクラスタをスクラッチで構築するハンズオン「 Kubernetes The Hard Way」を通しで1回、やり直してみました。
試験当日の対応
試験日当日の流れは以下のようになります。
Webカメラ有効化・デスクトップ共有
試験当日は予約した会議室で試験サイトにアクセスし、試験官と英語のチャットでやり取りする形になります。まずはじめにWebカメラを有効化し、デスクトップを有効化するよう、指示されました。
パスポート提示
Webカメラが有効になったら、カメラ経由でパスポートの顔写真が写っているページを試験官に見せます。ここはすんなり通りました。
受験部屋の状態確認
次に試験を受験する部屋を一周くまなくカメラで見せるように指示があります。この際、特に机上を注意してみているようで、机上をゆっくり見せてほしいと指示がありました。
Webカメラ位置調整
試験中は基本的に休憩を申し出ない限りは、受験用端末のスクリーンを見続けていなければなりません。
顔がきれいに試験官に見えていなかったのか、Webカメラを少し下げるように指示されました。ディスプレイに付属のカメラを使う人は辛いディスプレイの角度で受験することになるかもしれないです。私は許容範囲でしたが…
許容できなければ外部Webカメラがあるとよいかも…?!
受験開始
以上の準備を終えて、試験官が試験ページを更新し、問題文とコンソールが表示されました。そしたら試験開始です。開始の合図は特にありませんでした。
試験に受かるために必要だと思うこと
私が考えるCKA合格に必要なことは以下の5点になります。
- 試験レギュレーションの事前理解
- kubectlの便利機能の知識
- 基本的なKubernetesオブジェクトの知識
- Kubernetesクラスタの運用の知識
- ツールに頼らないKubernetesクラスタの構築知識
試験レギュレーションの事前理解
これが大前提になります。試験のルールは全て英語で記載されたHandbook、Important Tipsしかないので、抵抗がある方もいらっしゃるかと思いますが、禁止事項を理解しておかないと即時試験終了されてしまう恐れがあるので、HandbookとImportant Tipsの中身はよく理解するようにすると良いです。
特に、試験中に参照できるWebページの制限(k8sの公式ドキュメント、ブログ、公式GitHubのみ)には注意が必要です。Kubernetes公式ドキュメントからドキュメント検索をかけると、外部ページも引っかかるため、不意にそれらのページリンクをクリックしてしまうと不正行為になります。また、表示できるタブの数(試験サイト以外、一つのみ)も注意が必要なルールの一つです。
kubectlの便利機能の知識
kubectlを使ってオブジェクトの名前だけをリストしたり、特定のラベルを持つオブジェクトだけを検索したりする等、普段使っていない方もkubectlの効率的な使い方は理解しておいたほうが良いでしょう。青山さんの本「Kubernetes完全ガイド」だと4章を網羅的に理解しておけば十分でしょう。
基本的なKubernetesオブジェクトの知識
Deployment、ReplicaSet、Pod、各種Serviceなどの本当に基本的なオブジェクトの作り方から、マニフェストの書き方はしっかり押さえておくべきでしょう。マニフェストのサンプルはKubernetes公式ドキュメントから引っ張ってこれますし、kubectl run --dry-run -o yaml
でも確認できるので、ゼロから作るというよりかは各パラメータの意味を理解してカスタマイズできるかが重要になります。
なおその他のオブジェクトについても、私が受けた感覚では「Kubernetes完全ガイド」の5章〜8章は可能な限り押さえ、余力があれば9章、10章を理解しておくぐらいで十分かなと思います。
Kubernetesクラスタの運用の知識
Kubernetesを運用するための知識として、「Kubernetes完全ガイド」の11章の知識は押さえておきましょう。またnode selector
やtaint
、toleration
などを用いたPodスケジューリングは覚えておいて損はないと思います。
ツールに頼らないKubernetesクラスタの構築知識
「kubeadm」などのツールを用いてしかKubernetesクラスタを構築したことがない方はぜひ一度Kubernetes The Hard Way」を1度実施してください。そしてオペレーションの一つ一つの意味を理解しておくほうが良いです。
結果 〜スコアと証書〜
上記準備で、無事CKAを取得することができましたが、スコアは80%と、合格ライン74%と比較してギリギリでした。一問以外はわからない問題ではなかったのですが、失点の理由が知りたいのがホンネ…
本レポートが今後CKAを受験する方のお役に立つことを願っております!